今日のお薦め本は。
「生涯投資家」
著者:村上 世彰
「もの言う株主」として注目を浴びることとなった村上ファンド。
もうニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑で逮捕されたのが15年も前の話です。その頃は突然でてきた元官僚で、ちょっと目をむいた特異な人だという印象しかありませんでした。
が、彼の根底にある「投資とは」、「上場企業とは」どうあるべきか?
という事が非常に丁寧に書かれているのと、当時のニュース(阪神電鉄、東京スタイル、ニッポン放送・フジテレビ)をある程度知っている人なら、それらに対してどのような思いで行動していたのかがよくわかります。
彼が考えているであろう思いは
①資本主義は社会に資する
②株式会社は株主のものであり、株式会社の経営にはコーポレート・ガバナンスが求められる
③投資家がルールの範囲内で投資しリターンを追求するべきである
といった所ではないでしょうか。
アメリカの企業では手元に積みあがった資金や投資されない資金はM&Aを含めた事業投資を行うなど企業価値を高めるため積極的に使われる。使い道がなければ株主に還元し、また必要になったら市場から調達する、という流れが当たり前にできている。
そういったガバナンスが働いており経営者は株主を意識して経営をしている。
そういう本質的な考えがあるので米国株が高配当であり、ダウ、S&P500等株価指数は長期的にみれば右肩上がりとなっているというのもうなずけます。
そういう所もあり、遅まきながら私も少しずつ米国株への投資を開始しました。
株式投資とは何なのか?もちろんお金儲けのためですが、もう少し視野を広げて直接金融というものを考える事ができると思いました。