芸術の秋という訳ではありませんが、アートに関連した小説のご紹介です。ここにあげた3冊は本屋の店頭で何気に手にしたもので、絵画にまったく興味なかったのですがこれを読んで興味を持ち美術館に行くようになりました。
この秋にゆったりと読むのも良いかと思います。
3冊とも、お薦め度:★★★★☆ です。
◆楽園のカンヴァス (著:原田 マハ)
アンリ・ルソーの大作『夢』の真贋を2人のキュレータが解き明かすまでの話です。背景、登場人物の関係性等々、密接に絡まり、一気に読んでしまいました。今まで、絵画って興味がわく事がなかったのですが、これを読んで展覧会とか行ってみたくなった。そんな本です。
◆眩(くらら) (著:朝井 まかて)
葛飾北斎の娘應爲(お英)の絵に向きあう葛藤、真摯な思いがベースにある内容ですが、兄弟子善次郎に対する恋心、甥の時太郎の不始末に振り回される様などが巧みに組み合わさり、面白いというか引き込まれる話で、あっという間に読みきりました。爽やかな思いを持って読み終える事ができたのは、それぞれの登場人物が自分の生き方に真っ直ぐだからなのかもしれません。これまた、葛飾北斎の絵も展覧会でみてみたくなりました。
で、こんなものも買ってしまいました。(これはおまけ)
◆北斎 富嶽三十六景
◆月と六ペンス (著:サマセット・モーム)
ゴーギャンをモデルとした主人公ストリックランドの生涯を書いたもの。 家族を捨て、その後付き合い、結婚した女性にも目もくれず、金にも困り、自分も瀕死の状態になっても、絵画にのめり込んでいく狂気的な人生であるが、そんなに悪い読み心地でもなくすらすら読めた。 月→夢、6ペンス→現実というのは、読んだ後調べてわかった事で妙に沁みました。