無印良品「MUJIブランド」を展開する良品計画(7453)ですがさえません。
株価は4月にコロナショック時の1,000円割れに迫る下落をしたものの1,000円割れは回避。(年初来1,109円)
ただしそこからの上昇は限定的です。
- 5年週足チャート(SBI証券より引用)
良品計画(7453)の株価が回復するのに時間がかかる理由を考えていきましょう。
①2022年8月期3Qの決算発表
売上、営業利益ともにコンセンサスに届かず
売上高予想は、変わらずの47.0(百億円)前期比では+3.6%ではあるものの対コンセンサスでは‐0.4%。
営業利益予想は、前期比で‐38.7%、対コンセンサスでも‐18%となる2.6(百億円)との発表でした。
売上は回復していますが、営業利益が比例して回復していません。
色々と要因はありますが、為替円安、原材料高騰、物流費高騰、在庫の積み上がり(値下げ処分)の影響によるものが大きいと思われます。
国内の売上が悪い
同社では毎月の売上を開示しています。国内は8月まで、外国は7月までの売上推移が提示されています。
良品計画のIR資料より、国内および、東アジア(中国含む)の売上推移を抜粋して表示しますと以下になります。
前年期首から期末までに稼働した店舗(同期間に30日以上継続して休業した店舗を除く)を既存店として、その既存店の売上について、昨年度との比較になっています。(ここ1年の新店の数字などは入っていません。)
- 国内売上推移
- 東アジア売上推移
国内売上は、直近3カ月(6月~8月)の売上を見ても前年度比の90%を欠けています。
中国含む東アジアは、100%超え(前年度比プラス)となっています。中国は100%には回復していませんが日本よりはましです。
中国のロックダウンの影響とよく言われますが、国内の不振がよろしくありません。
②現在の課題
同社の決算説明会資料(2022年度8月期第3四半期 決算説明会)の「1.現実」の後半に開催されている内容が近々対応していかないといけない課題ではないかと思います。
- 無印良品週間(値下げ)時に売上が集中、衣服処分のための大規模値引き
⇒付加価値の高い商品提供ができていないとも言えますし、消費者マインドが冷えてきているとも言えます。
- 急激な円安進行、輸送費の急上昇による原価上昇、物流費の増大
⇒外的な要因ではありますが、すぐに円安が解消されることはなく、さらに日本以外はインフレですので材料費も高止まりするでしょう。同社の業績にはマイナスの影響が強いですね。
③各種指標からの考察
良品計画(7453)の各種指標値ですが、以下の通りとなっています。(数値はマネックス証券より引用)
- 営業利益率:5.56%
利益率が低いのは課題です。(UNIQLOを展開するファーストリテイリング(9983)は12.89%です。同社もコロナ前は10%程度の営業利益率でした。)
より付加価値の高い製品を販売するか、経費を削減していくしかありません。 - PER:16.7倍、PBR:1.45倍
日経平均のPER:16.4倍、PBR:1.68倍と比較して、割高な水準ではありませんが、割安とは言えません。 - ROE(自己資本利益率):17.28%
8~10%優良企業の目安とされていますので良い値です。 - フリーキャッシュフロー
一定額のフリーキャッシュフローはありますので、配当金という点では安心感のある状態にあります。
④第二創業の掛け声はあるものの
事業構造を見直し、再び成長軌道へのせるため第二創業を目指しているます。
ですが、「収益構造の確立」「商品力強化」「経費効率」では苦戦としているとのこと。
この苦戦は、すぐには解消されないのではないでしょうか。
ここから直ちに改善するのは厳しいが
ここから売上、利益を上昇させていくのには骨が折れるのではないかと思います。ただし、業績が大幅に落ち込むことは考えにくいと思います。
ブランド力はまだ健在だと思いますので、ここからの立て直しには期待したいと思います。
自己資本比率も53.9%あり、財務的問題もないと思っています。
現在配当利回りは3.08%程度。決して高配当ではありませんが、コロナ前は連続増配もしていましたので配当をもらいながら、株価の上昇をのんびり待つスタンスで投資するならば悪くはないと思います。
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